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いつかこども達に読んでもらいたい本1「フェルマーの最終定理」

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人間味あふれる数学者の群像

あまり本を読んでこなかった人生を送っている凡々梵ですが、自分を棚に上げて、こども達には本に沢山触れる人生を送ってもらいたいと思っています。

人生は自分の分しか生きられませんから、振り返れば道は1本です。だからこそ、自分の前に道が複数あれば、迷うのは当然ですし、できることならズルして、それぞれの選択肢の結果を比較して選びたいものです。でも当たり前ですが、道を進まなければその結果は分かりません。

月並みですが、本の中には他人の人生が存分に盛り込まれていますから、他人の人生を疑似体験できる貴重な資源です。
言い方を変えれば、少しだけ合法的にズルして、人生の選択肢の結果をのぞき見できる方法の一つです。

一応私は高校時代、理系クラス(今もそう呼ぶのでしょうか?)に在籍していたので、苦手でしたが数学は微分積分までの学習経験があります。東大生のお勧め本?のようなYahoo!ニュースで紹介されていたので、どれどれどんなもんかと読んでみましたが、いやいやびっくり!ここまで引き込まれた本も久しぶりでした。

数学者の世界は全く知りませんでした(哲学とか芸術とか比喩されても実感がなかったし、興味もなかった)し、それにかかわる人間(数学者)は同じ言語なのに自分と意思疎通ができないような、ある意味崇高なパラレルワールドの住人のようなイメージでした。

ところがこの本を読んで、数学者達もとても人間くさい感情の生き物で、深いところでは自分となんら変わりない欲望に忠実な俗物であり、それでいて絶対にまねができない才能と感覚の持ち主であることを知りました。

早く先が読みたくなる反面、読み終わるのが名残惜しいような感覚はいつ以来でしょうか。筆者の文章力が高いせいか、難解な数学的思考が分かりやすく表現されています。実話なのに非常にドラマチックで数学が得意でなくても十分楽しめるでしょう。Kindle版で読みましたが、本棚に余裕のある人は文庫本などで購入してみても良いと思います。

凡々梵

いつか、こども達が手に取るようならしめたものですが、反面、本当に息子や娘が数学に没頭したらどうしようと思うのは、私が凡人だからでしょう。

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