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欠陥住宅の引き渡しと是正バトル、其の伍

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法的にはどうか

前回、欠陥の是正を提案されたあと、実際に是正できるレベルのものなのか、ホームインスペクションの業者に相談してみました。回答は、一旦直してみて、欠陥がどの程度のものか経過を見るしかない、とのことでした。同時に「住まいるダイアル」の存在を教えてもらいました。

住まいるダイアルは「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が設置する住宅トラブルを解決するための電話相談窓口です。条件を満たせば弁護士など専門家との無料相談も可能なので、住宅トラブルの際には、とりあえず連絡してみる価値はあります。私が相談した結果は、売主側が是正するという姿勢を見せている以上、まずはそれが済んでから次の対応を考えるのが良いのではないか、ということでした。

それでも納得できなかった私は、建築トラブルを扱っている弁護士に直接相談しました。その結果も概ね同じで、契約の白紙は難しいだろう、是正できる可能性も高く、まずは修理してみること、同時に実費としてかかっている費用の交渉をすること、という助言を貰いました。

どの回答でも共通していたのは、その時点では契約が白紙にできるほどの重大な欠陥とまでは言い切れないこと、相手が是正するという姿勢を見せているのでまず修理させること、今回の欠陥に関わる買主の損害は是正後の状況をみて交渉すること、そのあたりでした。

不本意ではありましたが、白紙や建て替えができないなら、まずは全力で修理させるしかありませんでした。欠陥の修理を許可し、誠意を見せるように売主側に強く言いました。

しかし、そこから是正完了までどのくらいかかるか先が見えませんでした。こども達は文京区の幼稚園に転園も進めていたので、悩みましたが一旦文京区内の賃貸マンションに引っ越すことにしました。文京区を含め、東京って本当に家賃が高いんですよね。痛い出費でした。そこからひたすら修理が進むのを待ちました。結局、是正が完了するまで約3ヶ月間かかりました。

誠意があったかどうかについてはなかなか評価するのは難しいですが、建築請負業者なりにはしっかり向き合ったのでしょう。是正には最も手間のかかる方法を選びましたし、少なくとも時間をかけた分、見た目や短期的な性能には問題ない状態でした。その費用はすべて建築請負会社持ちですし、追加で収納スペースなどもつけさせました。修理期間に住まざるをえなかった賃貸マンションの家賃もすべて支払わせました。どこまで効果があるか分かりませんが、今後不具合が生じたときに責任を持って対応するという誓約書も作らせました。これまで私が費やした時間や労力は返ってきませんが、それ以外の部分については最低限取り返せました。本当に欠陥が是正されたかどうか不安はありましたが、「まずは住んでみよう」、そう思えました。

凡々梵

文章にしてしまうとわずか数行ですけど、弁護士への相談、賃貸マンションへの引越、法人への実費請求、誓約書の作成など、素人の私にとって本当にストレスの大きい課題で、クソみたいに不毛な3ヶ月でした。最悪でした。それでも、本当にやっとのやっとでしたが、私の提案した条件をほぼ相手に飲ませて、示談できたのだけが救いでした。

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