欠陥の発覚
梵邸の引き渡し後、インスペクターの指摘箇所を全て確認をして建築請負業者に修正を依頼していました。「あまり直す意味はないと思います」とか「基本的に不要ですよ」などと反対されましたが、そこはある程度学んだ知識が役に立ちました。理由はどうあれ、インスペクターが言っていることがまずは正しいと分かっていましたし、修正した結果、無駄だったとしても受け入れる覚悟がありました。相手の反対は無視してすべての確認と修正を依頼し、有料になるものも、そのまま依頼しました。そこから数日、人が足りないとか、他の工事が立て込んでいるなど、のらりくらりかわされましたが譲らずに待ちました。
そして、修正を加えている途中の段階で、基礎の部分と屋根の部分に重大な欠陥がある可能性が見つかりました。基本的に設計図面と異なる施工がされていたことと、そのままではこちらが指定していた住宅性能を満たしていないことも明らかになりました。加えて、実害として水回りの不具合もあり木材の腐敗や健康被害を起こしうる状況でした。しかも、欠陥が発覚した際、建築請負業者はそのまま隠蔽するかのような素振りすら見せました。
「こんな家は買えない。」
売主不動産会社と建築請負業者を糾弾しました。
「例えば建売住宅の内見に行って、この欠陥があったら、絶対に契約しない。それを未完成で代金を払わされた挙句に、施主の指摘で欠陥発覚だなんてふざけんな。契約は白紙だ。それが無理なら、基礎からもう一度建て直せ。」
腹が立つというよりは、私はとても弱っていました。
(なんで自分がこんな目に遭うんだ。父も他界するし、母のいる実家のことも落ち着かないし、妻は話にならないし、やっと建てた家が欠陥住宅で、しかも数千万円の借金までさせられた。何だよこの仕打ち。。。)
この歳で非常に情けないですけどね、人のせいにして八つ当たりしたかったんでしょうね。
ひとしきり不貞腐れて落ち込んだあと、不動産営業担当者からあった提案は、全ての欠陥を現状から是正することでした。
「基礎からの建て直しは費用の面で難しいです。最悪、建築請負業者による買取の選択肢は残りますが、欠陥自体が重大なものとまでは言えない可能性もあり、まずは一度是正してみて、その結果でもう一度相談させて下さい。」
まあね、そらそうでしょうよ。でもね、こちとらそんな簡単には納得出来ませんよ。
法的に今の自分の立ち位置がどのあたりか、確認することにしました。