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欠陥住宅の引き渡しと是正バトル、其の弐

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知識は力

前回、ある意味、不動産建築業界に絶望した私は、覚悟しました。とにかく住宅の知識を付けないと、言いくるめられて搾取され、カモになるだけだ。それならできるだけ学んで細かいところまで自分で確認しよう。建築請負業者にとってめんどくさいタイプの施主にならないと、奴らの思う壺だ。

それからは建築基準法や宅検士の資格試験教材での基本的なルールの理解から、外壁材の特徴など住宅に用いられる素材のへの理解、基本的な住まいの間取りや性能の理解など、関連書籍を読み漁りました。通常の書籍で答えが得られない場合には、専門書コーナーで建築学科の教科書を手に取ることもありました。

以下に参考になった書籍を列挙します。


「住まいの解剖図鑑」は住宅設計の根本について分かりやすく書かれています。マイホームに興味があるなら設計前の早い段階で読む方が効果的です。単純な読み物としても面白いと思います。

「いちばんやさしい建築基準法」は古い版をkindleで読みました。専門用語の理解を深めるために全体に目を通して、さらに辞書的に調べるように使いました。

「ゼロからスタート!宅建士」は古い版をKindleで読みました。どうせなら宅建士の資格を取ろうか悩んだときもあり、まず読んでみました。建築基準法などともかぶる内容もありますが、計算方法など実務的な内容も含まれるので、興味があれば読んでみても良いと思います。

「知りたいことが全部わかる!不動産の教科書」は不動産売買取引の全体の流れについて書かれています。Kindleで読みました。取引全体の概要を把握するのに良いと思います。

「家の満足度を高める素材と仕上げのすべてがわかる本」は、床や壁など、内装や外観にどのような素材があるか、基本的な素材の理解ができます。必要ならそこから掘り下げて調べる足掛かりにできます。Kindleで読みました。写真も多く、自宅のデザインの参考にもできます。

「いい家が欲しい。」は換気や断熱の重要性について述べられています。これも設計前、むしろマイホームを考え始めた初期の段階で読むのが効果的です。書籍で買いました。ただ、後半は著者の反対論者に対する口喧嘩のような内容も含まれているので、その辺はスルーしても良いと思います。

「あなたのマイホーム 絶対得する入手ガイド 2021」は古い版を書籍で買いました。設計図面の見方が少しだけ載っている部分があり、参考にしました。本当は専門書で理解した方が良いのかもしれません。私が設計図面の重要性にたどり着いたのが、引き渡し直前だったため、専門書を見る余裕がありませんでした。

   

実際はこの3-4倍は住宅関連の本を読んだと思います。異なる書籍でも内容がかぶることが多く、読むたびに新しい知識を得られるわけではありませんが、数を読むと本質が見えてきます。書籍で大切なのは得られた情報を「最新の知識が必要な部分」と「根本的な理解が必要な部分」とに分けて整理することだと思います。住宅ローン減税や次世代住宅ポイント、新しく改正された法律などは前者に当たりますし、間取りや住みやすい住宅の設計、換気や断熱、素材の特徴などは後者に当たります。住宅建築がリアルタイムで進んでいる以上、限られた時間で決断することが多いので、知識更新の優先順位もつける必要があります。

覚悟を決めてからは、打ち合わせの際にこちらが行う提案や質問に対して、あまり根拠のない回答をする場合には出来るだけ具体的に問い詰めることを心がけました。あまり打ち合わせが長引くような時には、請負業者は忙しそうな雰囲気を出してきますが、決して譲らずにどっしりと構えて最後まで回答を要求しました(こちらも疲弊しますが)。

基本的に妻は細かいことがどうでもよいタイプなので頼れませんし、間に入るまともな不動産営業担当者も半分以上は建築請負業者の味方です。日々の仕事と育児を終えてから住宅関連の勉強をし、次回の打ち合わせでは言い負かされないようにイメージトレーニングをしたりして、地味な鍛錬を繰り返しました。情けないですが私がこの時期に負った孤独感には相当やられました。

さらに言い訳を加えると、実家の父ががん闘病の末に他界する時期と重なり、存命時の診療のサポートや死後の葬儀、相続などの手続きにも追われました。睡眠時間も短かったですし、色々なプレッシャーで食事が喉を通らず、どんどん体重も減っていきました。愚痴を言う相手もおらず、ひたすら目の前の課題をこなす日々でした。

凡々梵

家を建てるのはこんなに大変なのか。移住など考えた自分が愚かだったのか。自問自答するばかりでした。

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