竣工?なのか
当初は遅れていた梵邸の建築も、現場作業員を増やしたり、部材の確保をスムーズにしたりすることで、徐々に遅れを取り戻しました。おおむね竣工の見通しが立ったところで、引き渡し日と施主検査(竣工検査)の日取りが調整されました。
ここで注意ポイントは建物が完成していないのに引き渡し(住宅ローン実行)を受けてしまうことです。
考えれば分かるのですが、ローンが実行されてしまえば、建築請負業者側は建築費用を回収できるため、そこから完成を急ぐ必要がなくなります。加えて、それ以降の施工の一部が有料になったり、取り合わない可能性すらあります。
ただ、引き渡し日までに未完成だとしても、既に銀行の会議室を抑えたり、自分の仕事や司法書士のスケジュールを合わせたりしているので、実際に引き渡し日程をずらすのはかなりの気力と労力を要します。結局、なし崩しに売主側の要求を飲まざるを得ないでしょう。
梵邸の場合は引き渡し3日前に施主検査という無理なスケジュールでした。ホームインスペクションを入れたものの、区役所のセットバック工事や関係各所のスケジュール調整が難航し、外構を含め未完成の状態でした。そんな中でもインスペクターのおかげで、多数の追加修正箇所が見つかりました。しかし、修正には数日を要する状態で、結局、直す時間がないまま引き渡しの日になりました。
準備しておいた金融機関の会議室に施主、売主、建築請負業者、司法書士が集まり、建物の登記手続き、住宅ローンの実行、代金の振り込みが行われ、住宅の鍵が渡されます。ある意味最も緊張する時間です。(それでも実は上棟前に土地の登記をしていたので、土地ローンの実行の時の方が後戻りができなくなるストレスで、満身創痍でした。緊張のあまり食事はできませんでしたし、文字通り一睡もできずに金融機関に行きました。)
引き渡し当日の一般的な流れは下記の本に載っています。
そして無事に?住宅ローンが実行され、梵邸が梵家のものになりました。
残念ながら私は売主側の言いなりになって引き渡しを受けてしまいましたが、振り返ってみても、物件が完成していないなら引き渡しを受けるべきではなかったと思います。本当にそれ以降の施工がいい加減になりますし、引き渡し日までの追い込みが嘘のように、パタリと現場作業が遅くなります。できれば皆様は、未完成なら引き渡し日を延期するような取り決めをしておいた方が良いと思います。そして最悪なことに、引き渡し後に追加修正した箇所から重大な欠陥が発覚しました。そのまま住むわけにもいかず、一気に東京移住計画は暗礁に乗り上げます。
本当にくそ野郎です。