しっかりプランをしないと意外と困ります
新築住宅の計画で忘れがちなポイントとして、カーテンプランも挙げられます。前述のエアコン、ホームセキュリティと同様に早めにプランを立てる必要がありますが、それらと異なる点もあります。それは、建物が完成しないと具体的な採寸等が出来ないということです。
あれこれと業者やカーテンのデザインを漠然と計画するのは早くからでも出来ますが、結局、採寸が出来ないとプランを詰め切れないんですよね。そして建物が完成しても全くカーテンのない家には住めないので、引渡しが終わったら、すぐに行動を起こせるように業者の選定やカーテンデザインに具体性を持たせておくと良いと思います。
採寸と取付は、カーテン専門業者やホームセンターなどで依頼出来ます。私はあまりこだわりがなかったのでニトリに依頼しました。出来るだけ安く収めようとしましたが、3階建て狭小住宅でも仕様によって15-30万円程度はかかると思います。
カーテンのデザインは好みで選んで良いと思いますが、大事なのはカーテン自体の取付プランだと思います。特にカーテンレールの天井付けと正面付け、カーテンフックのAフックとBフックを理解しておく必要があります。これを理解しないと、カーテン業者とスムーズなやりとりができません。ざっくりいうと、カーテンを窓枠の中に収めたいか、窓枠の前に出したいかの違いです。詳細はニトリの解説「窓まわり-カーテンレールの選び方」をご覧下さい。
ちなみに私なりの経験を踏まえてカーテン選びのポイントをお伝えします。
まず狭小住宅なら、基本的には「天井付けとAフック」の組み合わせによる窓枠内にカーテンを収める方がベターかなと思います。
理由はスペースを生かしやすいためです。
「正面付けとBフック」の組み合わせでカーテンを窓枠の前に持ってくると、どうしてもカーテンがせり出した部分にデッドスペースが生まれます。例えば机にしろ本棚にしろ、せり出したカーテンが邪魔で配置し辛くなるんですよね。新築当初は窓の前には何も置かないつもりでも、結局物が増えて、置きたい物が少しだけ窓枠にかかってしまう、などは狭小住宅にはありがちだと思います。
リビングなど空間を贅沢に使いたい場合は、正面付けの方がサマになるかも知れません。装飾レールであれば「正面付けとAフック」という、上級者仕様も有りかも知れません。ただ、正面付けを採用するなら前述のデッドスペースに加え、せり出したカーテンレールが他の家具と干渉する可能性にも配慮してください。特にカーテン採寸の時に、まだエアコンが設置されていない場合は、カーテンレールを付けた後にエアコンが干渉して設置出来ないことがあるので要注意です。加えて、必ず居室などのドアの全開範囲にカーテンレールがかからないことを確認しましょう。意外と居室ドアやクローゼットドアなどの全開の想定を忘れてしまい、結果的にカーテンレールと干渉してしまって、ドアが最後まで開けられないなんてことが起こり得ます。
ちなみに梵邸は夫婦部屋だけ天井付けで、それ以外の居室やリビングは正面付けにしました。田舎育ちの私には天井付けのカーテンレールになじみがなかったのが理由です。ただ、実際に住んでみると、天井付けの夫婦部屋はカーテンがスッキリして家具が配置しやすいんですよね。反対に、こども部屋は正面付けですが、家具の配置も悩みますし、部屋が狭い分カーテンのせり出しが目立ちます。窓枠に物を置けたりするメリットもありますが、総合的には天井付けの方が使い勝手が良かったかなと感じています。
その経験から、これから狭小住宅を建てる予定の皆様は、迷ったら天井付けを検討してみてください。いずれにせよ個々の事情に合わせて、カーテンまわりを具体的にイメージしてみると後悔が少なく済むと思います。
また、「狭小住宅梵邸の間取りと仕様、2Fについて」でご紹介したリビング階段のロールスクリーンもカーテンプランと同時に設置するとスムーズで良いと思います。設置場所の下地材を入れ忘れないように、建築請負業者には早くから確認して置いた方が良いです。
色々と面倒なことがありましたが、梵邸にカーテンをつけたとき、いよいよ住み始めるんだと実感が湧きました。皆様も素敵なカーテンプランを考えてみて下さい。