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欠陥住宅の引き渡しと是正バトル、其の壱

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不信の種火はゆっくりと

気になっている人が居るかどうか分かりませんが、梵邸が欠陥住宅であったことと、どうにかそれを是正して、人並みの住宅にできた経緯を振り返りたいと思います。広大なネットの海のリスクもありますので、内容は所々脚色したり、フェイクを入れながら、それでも大きな本質を外さずにしたいと思います。

建築請負業者との始まり」の記事で述べたように、出だしはそこそこ上手くいっていました。

通常、売建住宅は建築プランの打ち合わせ回数が決まっており、その都度次回までの課題(検討、決定すべき内容)が出されて、夫婦で話し合った結果を持って打ち合わせに臨みます。ただ、時間をかけて夫婦で話合った内容でも、パッキリと「それはあまりお勧めしません」と反対されることもありました。プロの目線であれば仕方ありませんが、必ずしもそんなことばかりではなく、段々と「ホントかなぁ?やるのめんどくさいだけじゃねーの?」という気持ちが生まれていきました。

そのうち、渡される標準仕様の資料が旧版で実際に選べるものと異なっていて「話し合って選んだのに、選べねーやつじゃん!」的なことがあったり、こちらが希望で依頼した外壁の仕様や住宅性能評価の見積もりや、そのプランが可能かどうかの確認など、「次回までにやっておきます!」といいながら、次回に聞くと「そんなことありましたね。もう一度確認します!ちょっと待って下さい」的なことがあったりしました。

こちらも大人ですから、まずは相手が真摯な態度を示すのを待ちましたけどね。

不信の種火が生じながらも、どうにかプランの打ち合わせが済みました。しかし、上棟してからも、注文していたものと異なる仕様の窓やキッチンが設置されていたり、ライトなどが頼んだ場所と違う位置に設置されていたり、家を建てるって、こんなにも施主がいちいちチェックしないと間違ってばかりなのか?と驚愕しました。一方で、現場で働いている人たちの様子を見ると、「届いたものを設置してるだけなんで、大体そんなもんすよ」的な、なんかとても軽い感じで、そりゃこの姿勢じゃ間違うよな、と私も諦めの境地に辿り着きました。

おそらく、注文する人、受ける人、届ける人、設置する人がそれぞれ別のシステムで動き、互いに十分な確認をしないため、こんな基本的なミスが起こるのだろうと結論づけました。文句を言うのも疲れていましたし、結局私が全てをチェックしないと、私が頼んだ家は建たないという確信を持ちました。

もしかしたら大手ハウスメーカーは違うかも知れませんし、こだわりの工務店や、有名建築家は違うのかも知れません。梵邸がたまたまこんな状況だったのかもしれません。でも結局、柱一本、釘一本を組み合わせていくのは現場の作業員ですから、設計から一貫して高い理想がなければ、良い家なんて建つわけないんです。逆に言えば、誰が建てても建つようにシステムが出来上がっているから、何となくそれなりの住宅が建っているんだなぁと、腑に落ちました。

そんな私の中に生じた、建築請負業者に対する不信の種火は不動産や建築業界全体を巻き込んで、私の期待と信頼を燃やして行きました。

下記は欠陥住宅を避けるうえで大切な住宅建築における「監理」という概念を学べた本です。建築家を使わない人でも一度は目を通す価値があると思いますよ。

凡々梵

とにかく自分でやるしかない。迷惑を被るのは他でもない自分だからな。そう覚悟しました。

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